ADHDの診断基準とチェック方法


1. ADHDとは何か

ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意・多動性・衝動性の特性が持続的に見られる発達特性です。子どもに多いイメージがありますが、大人になってから気づくケースも少なくありません。


2. ADHDの正式な診断基準(DSM-5)

DSM-5とは、アメリカ精神医学会(APA)が発行している精神疾患の診断基準で、世界中の医療機関で使用されています。日本の精神科・心療内科でも、ADHD診断の共通ルールとして用いられています。

DSM-5の特徴

項目内容
正式名称Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition
目的診断のばらつきを防ぐための共通基準
対象子ども・大人の両方

DSM-5におけるADHD診断の必須条件

以下はすべて満たす必要があります。

No条件内容
1複数症状不注意・多動性/衝動性の症状が複数ある
2継続期間6か月以上持続している
3発症時期12歳以前から症状が見られる
4複数環境家庭・学校・職場など2つ以上の場面で確認
5機能障害生活・学業・仕事に明確な支障がある
6他疾患除外他の精神疾患だけでは説明できない

不注意の診断項目(DSM-5)

※ここからは、ADHDでよく見られる2つの特徴について説明します。

ADHDと聞くと「落ち着きがない」というイメージを持たれがちですが、実際には

  • 注意が続きにくいタイプ
  • 落ち着きにくい・衝動的なタイプ
  • その両方があるタイプ

と、人によって現れ方が異なります。

特に大人の場合、子どもの頃のように走り回ったりすることは少なく、自分の中でソワソワしているだけだったり、考えが次々に浮かんで頭が休まらないといった形で表れることも多くあります。

そのため、「自分は多動じゃないからADHDではない」と思い込んでしまい、気づくのが遅れるケースも少なくありません。

ここではまず、大人のADHDで最も多く見られる「不注意の特徴」から確認していきます。

不注意の診断項目(DSM-5)

※大人の場合は5項目以上、子どもは6項目以上が目安です。

No不注意の症状例
1細かいミスが多い
2注意を持続できない
3話を聞いていないように見える
4指示に従えず課題を完了できない
5整理整頓が極端に苦手
6精神的努力を要する作業を避ける
7物をなくしやすい
8気が散りやすい
9日常的に忘れっぽい

多動性・衝動性の診断項目(DSM-5)

次に、「多動性・衝動性」についてです。

子どもの頃は体を動かす多動が目立ちやすい一方で、大人になると「落ち着かなさ」「頭の中が常に忙しい感覚」として現れることもあります。

No多動性・衝動性の症状例
1手足をそわそわ動かす
2座っているべき場面で席を立つ
3落ち着きなく動き回る
4静かに活動できない
5過度にしゃべる
6質問が終わる前に答える
7順番を待てない
8他人の活動を妨げる

DSM-5が重視するポイント

  • 性格や努力不足」ではなく特性として評価
  • 一時的ではなく長期・複数場面で確認
  • 本人だけでなく家族・学校・職場情報も参考

3. 大人のADHDでよくある特徴

分類具体例
仕事締切を守れない / ケアレスミス
生活片付けが苦手 / 時間管理ができない
対人会話を遮る / 感情的になりやすい

4. ADHDセルフチェック(簡易版)

以下は医師の診断ではありません。当てはまる項目が多い場合、専門機関への相談を検討する目安です。

Noチェック項目はいいいえ
1集中力が続かず作業が中断されやすい
2忘れ物や失くし物が多い
3時間管理が苦手
4衝動的に発言・行動して後悔する
5落ち着いて座っているのがつらい
6物事を先延ばしにしがち

3項目以上該当:一度専門窓口の情報収集をおすすめします。


5. 診断はどこで行うのか

機関内容
精神科・心療内科面談・質問票・必要に応じ検査
発達障害専門外来より詳細な評価

※診断は自己申告だけでは行われません


6. 受診を考えるタイミング

  • 日常生活や仕事に支障が続いている
  • 努力しても改善しない
  • 周囲から指摘されることが多い

7. まとめ

  • ADHDの診断には正式な基準(DSM-5)がある
  • チェックリストは気づきのための補助
  • 気になったら、無理に自己判断せず専門機関へ

自分を責めるためではなく、理解するための第一歩として情報を役立ててください。

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